脆弱性と修正プログラム(セキュリティパッチ)の適用

 情報セキュリティにおける脆弱性とは、コンピューターシステムやネットワークなどのセキュリティに関する欠陥を指します。狭義にはソフトウェアやハードウェアの欠陥を指しますが、不適切な設定(例:メールのオープンリレー、推測されやすいパスワード)なども広義では脆弱性と言うことができます。
 悪意のある攻撃者がシステムに不正アクセスを行ったり、機密情報を盗み出したり、サービスを乗っ取ったりすることができのは、ほとんどの場合、これらの脆弱性をついた攻撃によるものです。

 脆弱性は米国の非営利団体であるマイター社(Mitre Corporation)がCVE(Common Vulnerabilities and Exposures)という識別番号を付与し、アメリカ国立標準技術研究所(NIST)が運営する脆弱性データベース(NVD)で管理されおります。つまり、CVE番号を使って、全世界で脆弱性を一意に識別することができる訳です。

 それではCVE番号が付与される脆弱性はどれぐらいの数あるでしょうか。
 下図のグラフは2013年から2021年までのCVE数の遷移です。2017年を境にCVE数が大きく増加傾向にあり、2020年には年間18,000個以上の脆弱性が発見・登録されました。平均一日50個以上の計算になります。

出展:SIOS Secuity BLOG

 CVE情報には対象となるソフトウェア・ファームウェア(ハードウェアを制御する専用のソフトウェア)のバーション情報、脆弱性の深刻度(CVSSという指標で表現、0~10で数値化)、攻撃手法の有無、修復方法、などの情報が掲載されております。修復情報は主にソフトウェアの修正プログラム情報になります。
 つまり脆弱性による攻撃をかわすためには修正プログラムの適用(セキュリティパッチの適用とも言う)が最も効果的な対策となります。Windows であればWindowsUpdateにより修正プログラムを一括で適用することができます。

情報セキュリティ対策の必要条件の中で最も重要な要素は、「修正プログラムをできるだけ早期に適用すること」と言えます。